ようのおしゃべりボックス

おしゃべりしてます。お気軽にどうぞ。

コーヒーおばさん

4日ぶりです。こんにちは。

なんか、別にサボってたわけじゃないんだけど、全然書くことが見つからなくて。

(←書くことを探すことをサボってはいた。)

で、今日も特にないので、バイトのことでも書こうと思う。

わたしの周りの人の中には、「わたし=バイト先がコロコロ変わる人」ってイメージを抱いてる人も少なくないと思う。確かにわたしは、大学入学してから今まで、蕎麦屋、パン屋、テーマパーク、ケーキ屋、派遣、フグ屋、と興味の赴くままに様々なバイト先を渡り歩いては、各地で黒い歴史を残してきた。

ある日ラインから名前が消されていたり(たぶんクビ)(ケーキ屋)(理由は言われてないけど、ケーキを落としすぎたんだと思う)、

なんとなくフェイドアウトしたり(飽きた)、

スケジュールが合わなくなって辞めざるを得なかったり(飽きたのも、まあ)、

勤務先を変えた理由は様々なんだけど、パン屋だけはなぜか続いている。

わたしが働いているのは、駅中のチェーン店のパン屋。

だから、パン屋って言っても、みんなが抱いている優雅でふわふわしたイメージとは全然違って、朝なんて、殺人的に忙しい。しかも、なんかわたしがいうのもなんだけど、お客に変なのがいっぱいいる。しかも、そういう奴ってのは、だいたい常連に多い。変だから常連になるのか、それとも常連だから変なやつになってしまうのかは、謎。

まあでも、どんなに愚痴を言っても、嫌がっても、変なやつは来ちゃうもんだ。それならいっそ、ニックネームでもつけて、仲良くなっちゃおうじゃないか。ということで私は密かに、彼らに可愛らしい愛称をつけることにした。

そんな愉快な常連さんの中でも、毎朝一番に来店してくれていたのは、愛すべき「コーヒーおばさん」。

彼女は毎朝、開店と同時にお店に来る。いや、正確にはお店に入る。お店が開く前から、シャッターの向こう側で待ってくれているのである。

彼女はパンには目もくれない。まっすぐカウンターに来て、一言、「コーヒー」と呟く。

そう、この「コーヒー」が死ぬほど聞き取りづらい。たぶん、呟いてくれていたらまだいいんだと思う。コーヒーという音が口の中で発生して、口の中で終了してる感じ。だから正確には、コーヒーなんて言葉ではなく、「ンヒィ」みたいに聞こえる。そして聞き返すと、だいぶ不機嫌になる。しかもこのおばさん、毎日コーヒーならまだいいのだが、たまにアイスコーヒーを頼んでみたりする。そのときは、「ンヒィ」の前に「アイス」の音が追加されて、「ィスンヒィ」みたいな感じで聞こえる。だから私たち店員は、彼女が「ンヒィ」を頼んでいるのか、はたまた「ィスンヒィ」を頼んでいるのかを、一回で聞き取らなくちゃいけない。これができるのは、毎朝おばさんと一緒に厳しい訓練を積んだ、ごく一部の店員だけである。

 

一度だけ、「コーヒーおばさん」がしっかりと話しているのをみたことがある。雨の日の朝、いつもよりすこーし遅めに来店した彼女は、慌ただしくパンを3つトレーに載せ、カウンターに来ると、「バスが間に合わないんで急いでください!」と言った。なーんだ、話せるんじゃん。それを言われたわたしが、急いだのか急がなかったのかは記憶にないけど、そう感動したのは覚えてる。

パン屋で最後に働いたのも、かれこれ3ヶ月前だなあ。おばさん、元気かなあ。